上弦の月


パパはそれから相手の方の紹介をしてくれた。

パパの会社の昔からの取引先の息子さんで、年は24。

とてもかっこいい青年だと言っていたが、パパのかっこいいは幅がありすぎる。


それから産まれる前から結婚しようかと言っていたこと。



でもパパはわたしが産まれる前から結婚の約束をしている人たちが何人かいた。

その中で女の子が産まれた方々も多いらしい。


これじゃ結婚できないねなんて笑あっていたとか。

彼はその中の1人にすぎない。



彼も彼のご両親も仕事があるため夜に食事をする程度しかできないらしい。

社会人って忙しいんだな…。




「お嬢様?支度はできておりますか?」

「あぁクリス。できたわ、こんな感じでいいかしら?」

「まぁ、この前買われたワンピースですね?とてもお似合いですよ」


クリスはそう言ってニコニコ笑顔を見せてくれた。


クリスに言われるとなんだか嬉しいんだ。

育ての親も同然だから。



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