上弦の月
遥歩さんは、サラッとおでこにキスしちゃうところとか、考え方とか全部が大人なんだよ。
彼は自分の事を子供だと言った。
子供な私よりもっと大人な子供なんだ。
て、なに言ってるかよくわかんなくなってきた。
「柚木、ここがリビング。で、右側が柚木の部屋で左側がお風呂でその奥がトイレだから。俺の部屋はリビングの隣の部屋だから何かあったら来て。荷物は届いてると思うから着替えて来な」
「はい…」
当たり前だけど部屋は二つあるんだ。
寝るのも別々。
そりゃあそうだよね、政略結婚なんてそんなもんだよね。