上弦の月
前にもこんな感じで頭を撫でられながら眠ったことがあった気がする。
私はいつからか自分の気持ちを隠して来てた。
それは多分私がお兄様より成績がよくなって来た高学年からだと思う。
それまでの私は家なんて関係なしにやりたいことをやって食べたいものを食べて言いたいことを言っていた。
いわゆる自由ってやつなんだと思う。
私立の小学校に通うと自然と周りは私みたいな社長の娘、息子たちがいた。
その中でも私はトップに立つ人間だったと思う。
でも幼い私にはそんなことどうでもよかった。
そしてある時事件が起きた。
仲良くて家にも良く遊びに行っていた子の会社が倒産した。
それが私の全ての始まりだったかもしれない。