上弦の月


誕生日パーティーが終わり、私は部屋に戻りクリスを呼んだ。


クリスはわたしのお手伝いさんで、母親のようなものだった。



わたしの母親は今はパリで仕事をしているらしい。

実の母だと言うのになにも知らない。


パパのことだって、有名な大きい会社の社長だと言うことくらいしか知らなかった。



「クリス、わたしお見合いパーティーに出席するわ」

「旦那様にそうしろと?」

「いいえ、お見合いパーティーで結婚相手を見つけるわ。パパは別にお見合いの席を用意しているらしいの。それよりも先にわたしがまともな人を見つける。
だってパパ趣味悪いんですもの」

「かしこまりました、すぐ準備させますね」

「早急ね、お願い」


クリスは一礼をしてから部屋を出た。


以前何回かお見合いをした。

パパの趣味はとても悪くて年齢も年が離れすぎているのもしばしば。


それだけは私も嫌だった。



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