上弦の月


年齢層といい、スタイルといい、お見合いパーティーってこんなもの?


もうちょっとましだと思ってた。



「柚月ちゃん!」

「??」


呼ばれた方を振り返るとおじさま達が3人ほどいた。


どうやら、彼らはロリコンらしい。

らしいと言うか実際聞いたわけじゃないけどおそらくそのおかげて結婚できなかったのかも。


一言で言うと、気持ち悪い。

こんな人たちといたらはたから見たら援交だ。


「はい、なんですか?」


ニコニコと考えを悟られないように返した。


小さい時からそうやってきたからそれはそれで得意なのだ。


ポーカーフェイス、それはわたしになくてはならない武器。



感情のままに表情を変えていたら金村家の人間として務まらない。




「柚月ちゃんはなんでこんなところにいるの?かわいいし若いのに!」

「そんな、若くはありませんわ。田中さんこそどうしてこちらに?」

「僕の名前もう覚えてくれたの〜?嬉しいな!!母さんが嫁を見つけろって応募勝手にされて乗り気じゃなかったけどさ、柚月ちゃんに会ったから来たかいがあったよ!」

「まぁ、それは嬉しいお言葉ですわ」



40手前なのにマザコンの田中さん、わたしは勘違いをして欲しくなくて少し距離を置いた。




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