上弦の月
お見合いパーティーなんてこんなもんなのだろうか。
いや、実際わたしもわかっていたかもしれない。
ただパパの思い通りになりたくないと心の底では思っていただけなのかも。
「お嬢さまパーティーはどうでしたか?」
「言うまでもないわ、クリス」
「そうですか。そういえば旦那様がお呼びでしたよ」
パパはきっとお見合いのことについて話があるんだと思う。
それ以外は何も用事なんてないから。
学校の成績だっていいし、教師にだって信頼されていると思う。
それにわたしは風紀委員とかやっちゃういわゆる優等生だ。
パパの書斎にいくと誰かと電話をしているみたいだった。
それでは後ほどと電話は切られた。
仕事の電話だろうか。
「柚月、そこに座りなさい」
言われた通り素直にソファーに座るわたし。
「たった今の電話も相手の方からなんだがな…」
「相手?」
「あぁ、お見合いの相手だ。急で申し訳ないんだが仕事の都合で今日の夜しか空いてないらしんだ」
「わかったわ。夕方までに準備をしておくわ、パパ」