Crescent
花火が終わり公園を出た。
「今日はありがとうございました。
花火が見れて良かったです」
「俺も見れて良かった。
琴音ちゃんが見たいって言ってくれなかったら多分、公園を素通りしてた」
今夜は透と真下ちゃんの三人で花火を見る約束していた事を話したつもりが、付き合ってる彼女がいて約束していたと勘違いされた。
「もしかして彼女さんと見る約束あったんですか?
だったら、やっぱりごめんなさい。
私と見たなんてきっと気を悪くしますね」
彼女なんていないと言うと。
「だいたい彼女なんていないし」
「付き合ってる人いないんですか!?」
驚いたような声で訊かれた。
そんなに驚く事か?
「いないと変?」
「変なんて言ってませんよ」
「俺に彼女は必要ないから。
これからも誰かと付き合うつもりはないし。
だからそう云うの気にする必要ないから。
琴音ちゃんとはずっといい友達でいたいし何かあったら遠慮しないで言いな」