Crescent
「そういう事だったんだ。
店長は大事な部分をかなり省いて透くんに話したのね」
「笹嶋さん?」
「初めは透くん、凄くあなたの事が気になってたんだそうよ。
彼には店長が琴音ちゃんの事を大事にしているように見えたんだって。
雑誌に載ってイケメン店長なんて騒がれてるわりには浮いた話しなんて聞いたことないのにある日あなたを、ここに連れて来た。
彼女かと思って聞いても、ただの友達だとしか言わないし、琴音ちゃんて店長の何なんだってね。
不思議だったんだって?」
笹嶋さんがそんな事考えてたなんて思いもしなかった。
「店長はきっと琴音ちゃんが自分にとって特別だって気付いてないのよ。
或いは受け入れられない事情があるとか?」
私が澤野さんにとって特別だなんて、それは違うと思った。