Crescent
「ごめんなさい。
澤野さんに送って貰うことになってしまって。
お店もあるのに迷惑ですよね?
公園の辺りまででいいですよ。
あとは一人で行けます」
凄く気まずくて早く一人になりたくて言った言葉だけど返事がなかった。
この後、公園までお互いに無言で歩いた。
公園の手前まで来て私が立ち止まると澤野さんも足を止めた。
「ありがとうございました。
ここでいいです」
バッグを返して貰おうと手を出したけど澤野さんはバッグを持ったまま立ち尽くしている。
「澤野さん?」
「ちょっと話そうか」
私のバッグを持ったまま公園の中に入って行ってしまった。
「あっ、ちょっと待って澤野さん?」
私の声が聞こえてなかったのかどんどん歩いて、いつものベンチがある場所まで行ってしまった。