Crescent


「――――――――澤野さんが好きです」


「えっ?」


思わぬ彼女からの告白。



「ごめん。
琴音ちゃんの気持ちは受け入れられない」


自分の今の正直な気持ちを伝えたつもりだった。



「あのキスは何の意味もなかったんですね?
だったらもう澤野さんとは会いません。

友達として近くにいるのは無理だから」


琴音ちゃんを傷つけてしまったと同時に『もう会わない。
友達として近くにいるのは無理だから』そう言った琴音ちゃんの言葉がキツく胸に刺さった。



「澤野さんは私に元気になる魔法をかけてくれた。
……一緒に月を見たり話しをしたり楽しくて、このまま時間が止まればいいのにって……いつも思ってました」



公園から出て行く琴音ちゃんを追いかける事は出来なかった。



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