Crescent
三日月夜の願い




「店長、お疲れさまでした」


「お疲れ」


「俺も、お先にあがらせて貰います」


「おう、気をつけて帰れよ」



「さて俺も帰るか」



おっ!!
今日は満月なんだな。


夜空にまあるく浮かんだ月に願った。

彼女に会いたいと。彼女が元気か知りたいと……。




橘様が何週間ぶりかでランチに来てくれた。



「久しぶりね」


「もう、ここへは来てくれないと思ってました」

「私が居なくてそんなに寂しかったの?」


「ええ、寂しかったですね」


橘様は驚いた顔をしていた。
寂しかったと言ったのは今の正直な気持ちだった。



琴音ちゃんだけじゃなく橘様も来てくれなくなりずっと心にぽっかりと穴が空いたような気分だった。



「話しが出来るぐらいには元気を取り戻せたようね」


「なんとか……。
橘様に聞いてほしい事があります」


「何!?
どうしちゃったのよっ?
自分の事を話したがらなかった店長がそんな事を言って来るなんて……」


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