Crescent
気付いた想い
光に照されて辺りが凄く明るい。
今日は満月だ。
琴音ちゃんが公園に来てるんじゃないかって寄ってみた。
なんだ、誰も居ない。
携帯を開いて登録してある琴音ちゃんの携帯番号に掛けた。
《満月…ちょっと待って下さい》
部屋の窓を開ける音が聞こえた。
《わ…本当、満月ですね》
《だろう?》
《今、公園ですか?》
《いや、帰る途中だよ。
琴音ちゃんも見てるかなって思って電話したんだ》
《……やっぱり月っていいですよね。
どの月も見てるとほっとします》
あれから元カレから連絡は来たのか何となく気にはなっていた。
《……隼人とはもう会いません。
そう決めたから》
《決めたんだ?
それで琴音ちゃんは大丈夫?》
《大丈夫ですよ》
電話を通して彼女の意志が伝わってきた。