Crescent


「そんな嬉しそうな顔なんて……してないよ」


「そう?
私の勘違いだったかなぁ……。
ねぇ、まだ時間が早いしこの後、私のアパートに来ない?」


「そうだね。
今日は他に用事ないから行くよ」



行くと返事をした後目の前の美味しそうなサンドイッチに気がいっていた私は友香がニヤリッと笑っていた事に全然気付かなかった。




「やっぱりここのランチは美味しいよ。
今日は来れて良かったぁ」


「本当、平日に休みが取れて良かったよね。
ねぇ、琴音のサンドイッチ味見させてよ?」


「どうぞ」




食べ終わって帰る時に周りを見ると、まだ店内にあるランチの客用の待ち場所にかなりの人達が並んでいた。


ランチに、こんなに大勢のお客で混んでいるなんて……。


澤野さんが作るパンを食べに、これだけの人達が来てるなんて。
澤野さんて凄い人なんだ。



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