君と私を、夜空から三日月が見てる
顔が熱い!
もう、きっと顔が赤くなったんだろうな・・・もぉおおお!
くーっと唸る私を、柿坂くんのミステリアスな瞳が可笑しそうに見つめてる。
「長谷川さん、面白いね・・・・」
「面白くないですぅぅぅ!!」
「年上だよね?」
「おばさんで悪かったわね!!!」
「おばさんなんて言って・・・なかったような気がする?」
「さっき言ったじゃない!!!」
「あー・・・・えーと、あれは~、なんていうか、ほんの例え?」
あはははって、柿坂くんは声をあげて笑った。
作りたてのネームを私に差し出しながら、彼は言う。
「はい、これ。
ネームは仕事に必須だから、必ずそれ着けて巡回廻ってください。
んで、お客さんに暴言なんて吐くと、すぐに『お客様の声』に書かれるから、接客は丁寧にお願いします。
売り場担当者の方々にも愛想よくしておかないと、おばさん達ほんと怖いから、後でなにを言われるかわからないよ」
冗談めかしてそう言って笑う顔は、ほんとにどこか幼くて、高校生みたい・・・
無駄に顔がいいから、可愛いとか思っちゃう。
なんとなく鼓動が早くなる。
私はソレを隠すように、さっと彼の手からネームを奪い取るとこう言った。
「接客には自信ないから!
ずっと事務職だったし!!」
「えー?でもほら、事務局にも怖い人いるっしょ?
俺、ベテランのチェッカーさんにはそう聞いてたけど?」
「いるよそりゃ!
私はその怖い人に嫌われたから・・・・ここにこうして」
「噂の失言事件ね!」
「失言・・・・といえばそうだけど・・・
私、ほんとのことしかいってない・・・っていうか、悪気なんかなかったよ!」
「悪気ないのを悪意にとるのがおばさんなんじゃん?」
「・・・・・」
彼の言葉に、なんとなく納得して、私は思わず黙った。
彼は、可笑しそうに笑いながら更に言う。
「しょうがないよ、今、この部門にいるおばさん連中もそうだからわかるって。
だから色んな意味で気をつけたほうがいいよ。
ちなみに、今、この部門にいるおばさん方もすげー面倒くさい人多いから失言気をつけて。
傾向と対策は重要!」
「傾向と対策・・・・・・」
「傾向と対策を取らないまま、うかつに言葉を発したから、事務職から体力仕事のここに回されたんっしょ?
だったら、これからはそういうの気をつけないとさ、長谷川さんが仕事しずらくなるよ?」
その言葉に、私ははっとした。
困ったことに、彼の言うことは正論だった。
6才も年下の男の言葉に、納得させられるなんてさ・・・
うかつな失言でこんな部門に飛ばされて、ほんとに、もうお先真っ暗状態。
結婚を考えてた彼氏には振られ、事務職のエキスパートとしてがんばってやってきたのに、まさかの掃き溜めに飛ばされるなんて・・・
いくら私でも、正直言えば泣きたい。
泣きたいって・・・思ってただけなのに・・・
あれ・・・?
おかしいな・・・
柿坂くんの綺麗な顔が、どんどん潤んでいく・・・?
「ちょ!!」
柿坂くんが、不意に素っ頓狂な声を上げた。
にじんだ私の視界の中で、柿坂くんの綺麗な顔が驚きの表情に変る。
もう、きっと顔が赤くなったんだろうな・・・もぉおおお!
くーっと唸る私を、柿坂くんのミステリアスな瞳が可笑しそうに見つめてる。
「長谷川さん、面白いね・・・・」
「面白くないですぅぅぅ!!」
「年上だよね?」
「おばさんで悪かったわね!!!」
「おばさんなんて言って・・・なかったような気がする?」
「さっき言ったじゃない!!!」
「あー・・・・えーと、あれは~、なんていうか、ほんの例え?」
あはははって、柿坂くんは声をあげて笑った。
作りたてのネームを私に差し出しながら、彼は言う。
「はい、これ。
ネームは仕事に必須だから、必ずそれ着けて巡回廻ってください。
んで、お客さんに暴言なんて吐くと、すぐに『お客様の声』に書かれるから、接客は丁寧にお願いします。
売り場担当者の方々にも愛想よくしておかないと、おばさん達ほんと怖いから、後でなにを言われるかわからないよ」
冗談めかしてそう言って笑う顔は、ほんとにどこか幼くて、高校生みたい・・・
無駄に顔がいいから、可愛いとか思っちゃう。
なんとなく鼓動が早くなる。
私はソレを隠すように、さっと彼の手からネームを奪い取るとこう言った。
「接客には自信ないから!
ずっと事務職だったし!!」
「えー?でもほら、事務局にも怖い人いるっしょ?
俺、ベテランのチェッカーさんにはそう聞いてたけど?」
「いるよそりゃ!
私はその怖い人に嫌われたから・・・・ここにこうして」
「噂の失言事件ね!」
「失言・・・・といえばそうだけど・・・
私、ほんとのことしかいってない・・・っていうか、悪気なんかなかったよ!」
「悪気ないのを悪意にとるのがおばさんなんじゃん?」
「・・・・・」
彼の言葉に、なんとなく納得して、私は思わず黙った。
彼は、可笑しそうに笑いながら更に言う。
「しょうがないよ、今、この部門にいるおばさん連中もそうだからわかるって。
だから色んな意味で気をつけたほうがいいよ。
ちなみに、今、この部門にいるおばさん方もすげー面倒くさい人多いから失言気をつけて。
傾向と対策は重要!」
「傾向と対策・・・・・・」
「傾向と対策を取らないまま、うかつに言葉を発したから、事務職から体力仕事のここに回されたんっしょ?
だったら、これからはそういうの気をつけないとさ、長谷川さんが仕事しずらくなるよ?」
その言葉に、私ははっとした。
困ったことに、彼の言うことは正論だった。
6才も年下の男の言葉に、納得させられるなんてさ・・・
うかつな失言でこんな部門に飛ばされて、ほんとに、もうお先真っ暗状態。
結婚を考えてた彼氏には振られ、事務職のエキスパートとしてがんばってやってきたのに、まさかの掃き溜めに飛ばされるなんて・・・
いくら私でも、正直言えば泣きたい。
泣きたいって・・・思ってただけなのに・・・
あれ・・・?
おかしいな・・・
柿坂くんの綺麗な顔が、どんどん潤んでいく・・・?
「ちょ!!」
柿坂くんが、不意に素っ頓狂な声を上げた。
にじんだ私の視界の中で、柿坂くんの綺麗な顔が驚きの表情に変る。