駆逐系男子【更新再開】
「あれ、はるちゃん。ごめんね、もしかして待たせてしまったのかな」
「あのっ、吉良くん!」
ちょうど荷物をまとめ終わったのか立ち上がった吉良くんの目を見る。
とは言っても、大きな黒縁メガネ越しだけれど。
今、吉良くんはなにを考えているのだろうか。
なんとなく目が泳いでいるし、そわそわしているような。
って、それは私もかもしれない。
あぁ、何だか緊張で膝がガクガクしてきた。
一度目を閉じ、心を落ち着かせる。
頑張れ春子!
「お話したいことが……あ、ります」
「……っ!」
吉良くんの喉が大きく上下し、緊迫した雰囲気に包まれる。