駆逐系男子【更新再開】
豆電球しか着いていない体育館は暗く、辺りがよく見えない。
そのまま入口付近で動けずにいると、奥の方からコツ、コツと足音らしきものが近付いてくる。
や、怖いっ……!
「助けてっ!吉良くん!」
吉良くんの名前を呼んだのは無意識のことだったため、少し驚いた。
「はい、よく出来ました」
声が聞こえたと思ったら、体育館の照明がパッとついた。
2mくらい先に、黒いタキシードを着た吉良くんがいた。
あれ、眼鏡かけてない……?
そのまま、ゆっくりと吉良くんが近付いてくる。
「……可愛い、天使みたいだ。並みの言葉しか言えないけど、とても似合ってるよ」