駆逐系男子【更新再開】
に、似合っているのは吉良くんのほうじゃないかな……!
モデルをやっているくらいだし、ほんとにこうしてると何かの撮影みたいに見えるし……
「……今日はごめん、怖がらせてしまったよね。情けないけど、余裕がなかったんだ。君に、どうしてもこれを着て欲しくて」
吉良くんは少し困ったように笑う。
そんな顔をさせたいわけじゃ、ないのに。
「みんな第一体育館のほうに集まっているから、ここには誰も来ないよ。
今だけは、世界にふたりきりだよ」
吉良くんが私のほうに手を伸ばした。
あ、もしかして……
「あのっ、お菓子は今持っていなくて……」
「そんなものはいらない、欲しいのは君だけだよ。僕の世界には君がいればそれでいいんだ」