駆逐系男子【更新再開】
そう言われて、返す言葉に詰まってしまった。
ただでさえ慣れていないのに。
強制されて、なんて余計に引きつってしまうだろう。
「……ごめん、困らせてしまったかな。普段通りの君でいいって意味だったんだけど」
「あ、そう……だよね。私こそ、ごめんなさい……」
少し気まずくなってしまったが、それでも吉良くんと別々に帰るということにはならなかった。
「それで、織田信長の家臣の明智光秀が……」
帰り道は大体、吉良くんの話すことに耳を傾けていることが多い。
私のことを教えてと聞かれることもあるんだけど、返答を考えているうちに私の家に着いてしまうから。