ファンレター




丁寧に、言葉を選びながら優しく話してくれていたんだろう。

その雰囲気に、私の勢いは抑え込まれた。



この人は、悪者でもなんでもない。

十のことを、よく考えてくれてる。

もしかしたら、私よりも考えてくれてるのかもしれない。




「私はどうすればいいんですか。どうすることが…、十のためになるの?」



テレビに映る十を見るのは好きだ。

悔しくてイライラすることもあるけど、何かに頑張っている十を見るのは大好きだ。



私について来るばっかりだった十が、たくさんの人に必要とされる存在になれるなら、それはとてもすごいこと。

私は十の幼なじみだって、堂々と自慢だってできるよ。



だから、十のために…



「彼を応援してやってください。一番の、ファンとして」






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