ファンレター



「ダメです、もらえません。…十の力にはなりたいと思ってます。十のことだって、大切に思ってるし。でも…。正直言うと、これをもらっても力になれるかわからないんです。もしかして十の足を引っ張ることになるかもしれないし。何より十が、こんなことを望んでるか…」


「涼ちゃん、これは十が送ってきたのよ」


「十が…?」


「あの子も涼ちゃんと自由に話がしたいんだと思うわ。だから、これを持っていてほしいの。あの子が話したいと思った時、いつでも涼ちゃんにつながるように。迷惑も考えないでごめんなさいね」


「おばさん…」



わかってる。

十のためにしてあげられることは何か、鷹宮の母だって一生懸命なんだ。





十、どうしたらいい?

私の意志は弱過ぎて、たくさんの人の言葉に心を揺らされる。

ただ、十が好きだということは変わらないのに、何が正しいのかわからない。



会いたい。

十に会いたい。




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