ファンレター
受話器のボタンを押すと、また静かな空気が私を包んだ。
いつもの私の部屋だ。
ドクンドクンと、まだ大きな鼓動は続いてる。
手の中のハンドタオル堅く潰されてた。
「ばかみたい…」
どんどん十が変わっていく。
私にはそれが耐えられなかったのかもしれない。
ただ一方的に電話を切ってしまったけど、その日、十からまたかけなおしてくることはなかった。
手紙には何を書くつもりだったのかも忘れてしまった。
それで結局、前の手紙と同じように、頑張ってほしいとか、応援してるからとか
そんなことしか書けなかったのだ。