ファンレター



おいおい、十くんがなんだか考え込んじゃったよ。



「ハハッ、そんなことないですよ。ただ、本当はファンレターのつもりじゃなかったんですけど。いずれファンレターになってしまうんですよね」



あのさぁ、君って本当に一言一言が意味深だよね。おじちゃん困らせるなっ!



おーい
もう時間なくなってきてるし。

十くん、もう少し分かりやすく、しかも格言ぽく言ってよ。

って、またオレってば、無理難題言ってるな。



「あ、すみません。なんて言えばいいのかな。うーん……僕のファンだけじゃなくて、誰かのファンである人たちに失礼になっちゃうかもしれないけど
ファンレターって、返事が来ることって少ないじゃないですか。読んでもらっえれば、それはその人の力になることには変わりないんだけど。
でも、頑張ってる姿をファンに見せることでファンレターの返事に代えるのは、ファンレターを『受け取る側』の僕としての考えで、ファンレターを『書く側』としての考えは、ファンレター=一方通行なんですよね。悲しいですけど」



うん、なるほど。
えー…あれー、なんか

リスナーのみんなには、今までにないショッキングな格言なんですけど

コーナー続くのかぁ?



「すみません!まずかったですか?」



うそうそ!大丈夫だよ。

なんか十くんも、追われてばかりいるわけじゃなくて、時には誰かを追うことだってあるってことでしょ?

あ、入り込み過ぎ?

十くん首だけ振ってますが……(笑)



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