ファンレター



「よし、かんせ〜い!」



さすがに「好き」なんて言葉は書けなかったけど、十がいなくて寂しいこと、昔みたいにたくさん話したいこと

自分の気持ちを、正直に書いた。



でも、駅まで会いに行けなかったことは、言い訳をするみたいでなんだかずるい気もしたから、何も書かなかった。

何を言ったって、事実はひとつだし。





ポストに手紙を入れると、いろんな感情が込み上げてくる。

読んでくれてる姿を想像するだけでドキドキした。

十はどんなふうに感じるだろう。



今日読んでくれたかな。

明日読んでくれるかな。

毎日毎日がドキドキで、それから日にちはあっという間に過ぎて行った。





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