スイッチ

「そ、そうだよな。悪かったよいきなりこんな事言って･･･」

さっきまで確かにあった笑顔は、もう消えていた。

かわりにそこに在るのは辛そうな顔だけだった。

「ねえ」

「な、なに？」

「名前」

「え？」

「君の名前。なんていうの？」

「あ、えと朝倉だよ。朝倉裕樹」

「そう、よろしくね。朝倉裕樹」

どうしてこの時名前を聞いてしまったのか、私にはわからなかった。

ただ純粋に知りたかった。

その時は、そう思うことにした。


ねえ、裕樹？

私はちゃんと「生きて」たかな･･･