やまねこたち


先ほど言った。
この山猫は、一般の人に比べたらかなりおかしい。

色々なものがルーズだ。

仕事柄帰るのは早朝か真夜中。
荒っぽい性格の豹・蓮二・艶子は基本服に血をつけて帰ってくる。
それだけ動きが無駄、リスクが高い、下手くそだと私は思うのだが、今はそんな話じゃない。大体、3人が失敗をすることはあまりないのだから、そこは目を瞑ってやる。

職業があまりにも世界と離れすぎているのだけど、私達みたいな存在は国の中で最も重要だ。
どの国にも山猫みたいな人達は存在する。
もちろん、日本に殺しを職業をする人間は私達以外にも居る。

そして、基本夜の相手もルーズなのが山猫だ。

艶子は知らないけど、基本私は1人で寝たりしない。
と言うか、1人で寝るのが嫌なだけなんだけど。

添い寝相手に山猫男衆を日替わりでチョイスしている。
ただ寝るだけのときもあるけど、それはごくたまに。

男達もそれを全く持って気にしていない。ちなみに麻月はバイなので、いつか豹か蓮二辺りが被害を食らうだろうと私は予想している。


ダディ。本名鮎川元樹。50歳。多分180センチくらい。だけど男勢の中じゃ1番ガタイがいいわ。
山猫の中で最年長、最長経歴、最悪歴。
所謂プロなんだけど、まだ警察にもダディの存在は知られていない。
まだ中途半端な私たちを、本当の子供みたいに可愛がってくれる。
山猫の中で、ダディを愛していない人は居ない。それと反対に、ダディを恐れていない人も居ない。
優しさと恐ろしさを併せ持っているような人。
得意は銃。

蓮二。ハタチ。183センチ。
ダディの次に古株。
いくつの時に山猫に入ったかは忘れた。確か、小学生あたりだった頃。
山猫で1番常識をわきまえていると私は思う。
黒髪で細身。豹ほど性関係は酷くない。それでも一般の程は越えているけど。
得意はナイフと銃。

麻月。25歳。193センチ。
とにかく大きい。目だって仕方ないと彼は悪態をついている、が、それなりに利点もあるそうだ。
髪は薄茶色。染めていない。バイ。
落ち着いている。冷静。むしろ怖い。だけど実は気性が荒いのを、山猫は知っている。
麻月は自分のことをあんまり話さないからわからない。
気が利く男。山猫の中でお兄さん的存在。
こいつはオールマイティ武器をこなせる。

わたし。カレン。ハタチ。175センチ。
ちなみにアメリカ人。
9歳の時に日本に来て以来、山猫に入れてもらった。
9歳の時の山猫に入ったけど、その時すでに同い年の蓮二が居た事には驚いた。
言葉はすぐに覚えたけど、最近英語を忘れつつある。
得意なのはナイフ。

豹。ハタチ。183センチ。
白髪に近い金髪。
落ち着きがない。攻撃的。集中力が無い。単細胞。馬鹿。荒っぽい。いかれた性欲。言葉遣いが悪い。
豹に関しては悪口ね。悪いわね、豹。
山猫に入った理由が1番しょうもない奴。
15歳の彼が道に迷って困っていたら、電気がついている家…つまり山猫の家に飛び込んできた。
ただのアホ。ちなみに何故か全身赤黒く血に染まっていた。ダディはその実力を買ってすぐに山猫に入れた。
得意なのは射撃。射撃においては1番腕が立つ。というか、豹にナイフは持たせないのが山猫の掟化している。

艶子。17歳。158センチ。
最年少。山猫の妹的存在。黒髪セミロング。年の割りには大人っぽい。まぁ、私からしてみたらガキだけど。
大酒飲み。よく寝る。つまり子供。
13歳の時に山猫に入ってきた。理由は分からないけど、多分そんな感じ。
見た目も普通だし、どこもおかしいところはないけれど、気性が荒い。
仕事も雑。今のところ失敗は少ないけど、いつかやらかすと私は思っている。
得意なのは接近戦らしい。といっても殴る蹴るが得意らしい。仕事に役立たない。


今のところ、この6人で山猫は成り立っている。
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