《続》手にしたあとは?
-Kano-
私達は交差点で座り込んだ。
大樹は周りの目も気にせずに、私を強く抱きしめる。
大樹のぬくもりが…私を包み込む。この瞬間が好きだった。
「イルカのぬいぐるみがすごく嬉しかったよ。」
あの日、私は自分の気持ちを再確認してしまったの。
仕方ないよね。好きなんだもん。勝手に好きでいるくらいイイよね?って思ってた。
「もう私も大樹しかいらない。」
元カノさんが現れた時、もうダメだって思った。
でも、普段冷静な大樹が走って私を追いかけて、横断歩道の向こうで必死に叫ぶから…。
恥ずかしいなんて嘘。
本当はすごく嬉しかった。
信号が青になった瞬間、私は大樹の胸に飛び込んでた。