《続》手にしたあとは?
そっか。全然忘れてた。
まぁ、イブは始まったばっかだしね、なんて言いながら大樹の家に帰った。
「華乃、目瞑って?」
部屋に入るなり大樹が微笑みながら、私をベットに座らせる。
「え?なんで?」
「いいから。」
「ん。」
私が目を瞑ると、大樹は私の左手を取る。
え?
薬指のヒヤッとした感覚に目を開ける。
「俺が仕事始めて、一人前になったら…結婚して?」
「これはそれまでの予約な。」
大樹は私の薬指に軽くキスをした。
涙で視界が歪むけど、しっかり指輪を見つめた。
「返事は…イエスしか聞かねぇけど。」
真っ赤な顔をした大樹が愛しくて、本日2回目。思いっきり飛び付いた。
「…断る訳…ないぢゃんっ…。」
あなたとの幸せ
手にした後は
あなただけが知ってる。
ね?
end.