《続》手にしたあとは?
「大樹ってば…。聞いてる?」
華乃が隣で首をかしげて俺の顔を覗き込んだ。
「あ、悪い、考え事してた。」
せっかく華乃がいるのに…俺は華乃を抱き寄せた。
「就職の事…?明日最終だっけ?」
「ん〜。そんなトコ。緊張してんのかな?俺。」
俺は就職活動真っ只中だった。実は優秀、真面目な俺。
「頑張ってね!」
「ああ。」
華乃の香りは落ち着く。ぎゅっと抱きしめた。
すると珍しく華乃からキスをしてきた。
華乃は素直に、俺の不安が就職の事だと思い、心配そうにしてる。
「私、そろそろ帰るね?」
夕食を食べ終えると華乃は荷物を持って立ち上がった。
「泊まってけよ。」
「でも…明日、朝早いでしょ?」
「いいから…っ。おいで華乃…」
今日は帰したくない…
俺は少し強引に華乃を抱いた…