《続》手にしたあとは?
◆3◆
そんな俺の本当の不安をよそに、就職先はすんなりと決まった。華乃の側に居たくて、地元には戻らずコッチで就職活動をした。
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「「おめでとー!!」」
今日はサークルのタメみんな、進路が決まったって事で、祝い酒。
もう梅雨入りしたみたいで、外は大雨。まぁ、俺らに梅雨も何も関係なく酒は進む。
「タカ…お前華乃の事どぅ思う?」
俺は無意識に眉間にシワを寄せ、タカを壁際に追い詰めた。
タカはキョトンした顔をしたが、すぐに笑い出した。
「お前、俺まで警戒すんなよ〜!」
俺はなんだか全部見破られた様で、急に恥ずかしくなった。
「うるせぇな…っ。からかうなよ…!」
もう話をそらそうと、席を立った俺の腕をタカが掴んでまた座らせた。
少し真剣な顔をして、タカが話し始めた。
「まぁ、不安は分かるよ」