《続》手にしたあとは?
たかが頬に唇が触れただけ。
たかが頬。
もう子供ぢゃないのに、ソレがどうしても許せない。
俺以外の男が華乃に触れた事が嫌なんだ。
だから華乃が悪い訳ぢゃないと分かってても、無性に苛立った。
その後の飲み会で俺はやり場のない苛立ちを酒で紛らせた。
「大樹、今日は飲みすぎぢゃない?」
華乃がそっと俺の横に座った。要は今日はいないみたいだ。
「飲みすぎたかも。世話して。華乃、今日ウチ泊まれよ。」
酔いに任せて少し甘えてみた。でも命令口調…。
「いいよ〜♪」
良かった…偉そうで強引な事をしながらも、実は内心華乃の反応が怖い。
もっと優しくしたいのに出来ない性格の自分が心底憎い…。