《続》手にしたあとは?


あれから何日か経った。


相変わらず華乃は電話にもメールにも答えてくれない…。


俺は思い切って華乃のバイト先に行って待ち伏せをした。


華乃のシフトならいつも把握してたから。



ストーカー…一瞬頭によぎったけど、いや違う!


自分に言い聞かせた。




華乃が出てくるのを待ってる間に、何とも言えない不安に襲われた…




今まで何度、俺は華乃にこんな思いをさせてたんだろ。





待ってる時間が、どんどん華乃への思いを募らせる。




すると、裏口から人影が出てきた。華乃だ!



何日ぶりだろう。今すぐに抱き締めたくなる。許されるならあの細い体を抱き寄せて、キスしてもう二度と離さないのに…。




「華乃…っ…!」




華乃と一緒に見知らぬ男が出てきた。


誰だ?



華乃との距離が近すぎるその男は、やさしく華乃の頭を撫でた。



俺の華乃に触れるな!


なんて口に出せない俺。




「華乃!」



俺は精一杯冷静にもう一度華乃を呼んだ。

俺の声に華乃が、無表情で振り向いた。


「大樹…」


その目は、何を見てるんだろう。




俺には分からなかったんだ。


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