《続》手にしたあとは?
「あ!はなっ、こっち!」
彩の声にドキッとする。
「遅れてごめんねっ!」
人混みを描き分けて華乃が息を切らしてやってくる。そんなに走るとこけるだろ、って言いたい気持ちを押さえる。
華乃はバスに乗り込む。
「華…っ」
バンッ―
「うっ…!?」
でっかいボストンバックが脇腹に入る。…このパターンは彩だな。
「彩…さんぢゃないですか…。」
苦笑いの俺の前に仁王立ちの彩が現れた。
「そんな怯えなくても…海に沈める気なんてないですから。」
「ハハハッ…」
「お兄に聞きました!一応落ち込んでるんですね。見守るなんてカッコイィ事言っちゃって…。華乃の事そんなに好きならなんであんな事…。」
「心配で…いや、言い訳はしないよ。全部事実なんだ。」
「心配?!そんな理由で元カノとやっちゃう訳?
最っ低…その手で華乃に触れないでくださいね?!」
俺に睨みをきかせて、彩はバスに乗った。
「え?やっちゃう…て?」
話が見えない…。
何が…?