《続》手にしたあとは?
「もうみんな知ってるだろ?」
「はい…。」
俺達は砂浜に二人で座った。
「カッコ悪いな俺。あんなに余裕かましたくせに結局フラレてやんの。」
「…」
ザッ―ザッ―
要は砂をいじったまま黙っていた。
「…俺、別れたって聞いてすぐにチャンスだと思ったんすよ。」
「ああ…。だよな。」
俺は苦笑いしか出来なかったけど、浜辺は暗すぎてきっとお互いの表情が見えない。
「何度もデートに誘ってみたけど、はなチャン全然乗ってくれなくて…飲み会でも楽しませようとするんすけど…俺が欲しいのはあんな笑顔ぢゃないんすよ…。」
みんな同じ事を思ってるんだな。
「俺のせいだよ…。」
ついに俺も砂いじりを始めてしまった。
「いや、大樹君のおかげではなチャンのあのやさしい笑顔があったんだって気づきました…。俺ぢゃだめなんすよね…。」
あの大胆なライバル宣言をした要はドコに行ったんだ?
「俺こそカッコ悪いっすよ…。も〜っ…なんで恋愛ってこんなに…」
「難しいんだろな…。」
俺達は海の方を見てふがいない自分達を笑った。