《続》手にしたあとは?



あの日大樹と別れたその足で、駆け込んだのは彩の住むマンション。



何の連絡もしないで行ったから彩は留守だった。



代わりに迎えてくれたのは彩のお兄さん。






彩もすぐに帰ってきてくれて…


私は泣いた。



初めて知った本当の恋。



教えてくれたのは他の誰でもない大樹で…



大樹の存在はあまりにも大きすぎて、



息をするのも辛いくらい泣いた。




それから何日かして、私の携帯に知らない番号から着信。







大樹を信じたいのに、元カノさんが言う言葉を全部聞き入れる自分がなんだかバカらしくなって…



きっとこの人には大樹が必要なんだって思った。



もしかしたら大樹も本当はこの人が一番大切な人なのかも。




先に奪ってしまったのは私。人のものを欲しがった私への罰なのかな?



いつのまにか、私はこの話の当事者なのになんだか人事みたいにただ黙って電話越しの元カノの話を聞いてたんだ。






誰かが幸せになる為には、必ずどこかで誰が幸せを失うんだね。




邪魔をしたのは私?





こんなに苦しいなら、恋なんて知らなければよかった…





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