《続》手にしたあとは?
夏合宿は、単純に楽しんだ。だって大樹との最後の旅行だもん。
「はなチャン!こっち来てみ?」
浜辺で女の子達みんなで日焼け止めを塗り合ってたら、要が嬉しそうな顔で手招きしてる。
「ん?なぁに?」
何の疑いもなく要に近づくと…
ガバッ―
「きゃーっ!やだっ待って!」
抱きかかえられたと思ったら、海にダッシュ…
バッシャンッ―
「もうっ!イキナリ何すんの〜!」
要はイタズラな顔をしてすぐ少し悲しそうに
「ぼ〜っとしてるからですよ。」
なんて言った。
「要…。」
「はな!大丈夫〜?」
彩達が笑いながら駆け寄ってきたから、要はすっと浜辺に戻っちゃった。
最近、いつも要が私を元気付け様としてくれてるのが分かってた。
でもきっと素直に笑えてない事を要は知ってるんだ。
やさしい要。ごめんね。本当に笑えるまでもう少し時間がかかるよ…