《続》手にしたあとは?
大樹ともぎこちないながらも仲間として過ごせた夏合宿。
気が付けば暑かった夏は終わって、夜になると秋の匂いと一緒に冷たい空気が肌に触り始めてた。
私の気持ちも少しづつ冷えて、大樹の事をいい思い出に出来そうな気がしてたんだ。
大樹は会社の研修とかで毎日忙しいみたいで、私はというと…
「坂下さんこっち!」
「店長〜!遅くなってごめんなさい…。」
なぜか店長とお出かけです。
行き先はこれまたなぜか水族館。
大樹との微妙なシーンを見られたから気まずいのに…いきなり誘われたんだ。
「わ〜!水族館なんて久しぶり!店長っペンギン見に行きましょ♪」
気まずいのを忘れてはしゃぐ私に店長が聞いてきた。
「坂下さんは水族館最近いつ来た?」
「ん〜…高校生の時かなぁ?」
「ぢゃぁ3年くらいぶりだね。僕は1ヶ月前かな?」
店長彼女居るんだ。
「え、誰とですか?」
「一人で…。」
店長は私の方を見て照れくさそうに言った。
「一人で…?店長が?」
私はクスッと笑ってしまった。
「笑わないでよ〜。坂下さん、チョットついてきて?」