《続》手にしたあとは?



会話にならない彩と駅で別れた私は、電車を乗り継いである場所へ向かった。



途中、遠くの方に遊園地の観覧車が見えて、大樹と付き合ってた時を思い出した。




『俺の就活が終わったらまず遊園地行くか♪』


『うん♪あと夏になったらプールと海と…あ!水族館行きたい!』




そういえば水族館も約束の場所だったな…



着いた先はついこの前店長に連れてきてもらった水族館。


イルカが見たかった。


子どもの頃に、おもちゃでもなんでも"これ買って"って言って"ダメ"って言われるのが怖かった記憶がある。



確かイルカのぬいぐるみだったんだ。



子どもだった私はあのイルカを見て綺麗さに感動を覚えた。



なんで忘れてたんだろう…。


私はいつも欲しいものを欲しいって言えない子どもだった。



どんどんささかのぼって昔の事を思い出してたら足が自然に向いてたのは、もちろんおっきなイルカの水槽。



閉園前だから人が少なくて…




だからすぐに分かった。


なんで?




どうしてここに居るの?



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