《続》手にしたあとは?
『……分かった。』
ごめんね?そう言って元カノは電話を切った。
待ち受け画面に戻った携帯を見つめて、これで良かったんだって言い聞かせた。
「もっと前からそうやって突き放してたら良かったのに。お前もバカだよな〜。」
生ビールをぐいっと飲み干したタカは、居酒屋のイスに肘をかけて俺の方を見た。
「それ以上言うなタカ。もう俺の青春は終わった。」
一瞬の間…
「ぶッ…お前、青春て!笑わせんなよぉ。」
タカに馬鹿にされるのは無性に腹立つ。でも言い返す気力も今の俺にはない。
「でも好きなんだろ?」
「…」
「もう傷付けたくないから離れるのって俺は違う気がすんな。そりゃ関わらなければ傷付ける事もないけど…笑顔にする可能性もゼロになんだぜ?」
「タカ…どうした急に。」
タカは照れ臭そうに頭を掻いた。
「やっぱさ、はなチャンの一番いい笑顔は大樹が居ないと見れないんだよ。」
タカの言葉に救われた。でも彼氏が出来て幸せな華乃に、もう俺は何も出来ない。
ありがとな。
それしか言えなかった。