《続》手にしたあとは?
◇12◇
翌日のバイト中、店長に買い出しを頼まれた。
「洗顔と、芳香剤、ハンドクリーム…チョコレート…?って私物の買い出しかよっ。」
ぶつくさコンビニを出ると、だいぶ重そうな袋を両手で持った華乃がヨロヨロ歩いてた。
あっ!転びそうっ。
…ほっとけないんだよ俺。華乃が。
後ろからすっと華乃の片方の荷物を持った。
「へ…?」
驚いて振り返った華乃に自然に話しかけようと頭をフル回転。
「お前も買い出しか?重そうだから持つよ。」
「大樹…いいよ。平気だからっ!」
そう言われて荷物をパッと華乃に返すと…華乃がだいぶよろけた。
「うぅっ…お願いします…。」
「喜んで。」
俺はニンマリ満足気に華乃の荷物を受け取った。
「お前、何か顔色悪くないか?」
華乃の肌は白いけど、それ以上に青白い気がした。
「そ…かな?別に何ともないよ?」
気になったけど、華乃のバイト先が近づくにつれて嫌な事を思い出した。
華乃の彼氏が居る…。会いたくないな。
「華乃っ!ここでいいだろ?じゃあな。」
店のすぐ近くで荷物を下ろした。
「うん。ありが…」
その瞬間、華乃の体が傾いた…