《続》手にしたあとは?
「華乃!!」
とっさに買い出しの荷物を投げ出して華乃の体を抱き止めた。
「華乃…!どうした?おぃっ?」
「ん…。ごめ…めまいが…っ。」
華乃のおでこを触ると熱かった。
「熱があるな…。」
よろつく華乃を抱き抱えて、すぐ近くの華乃のバイト先に連れて行った。
「裏口…勝手に開けるぞ?」
うん、と小さく頷く華乃を休憩室に寝かせると、つらそうに息をしていた。
その物音に気が付いたのか、中から出て来たのは…
例の店長…華乃の今の彼氏だ…。
「どうかした……坂下さん!?」
すぐに駆けよってきた。
大丈夫?熱があるの?なんて優しく華乃を介抱する店長を見て、だんだん腹立ってきた。見せつけられてる気分になる…みぢめだ。
「華乃、俺バイトに戻るな。お大事にな。」
俺に気付いたのか、店長は振り返って、
「あ!君は…ありがとう。坂下さんを運んで来てくれたの?」
俺はやり場のない苛立ちを店長にぶつけてしまった。
「あんた…華乃の事ちゃんと見てろよ!」
勢いよく休憩室を出ようとした。けど、店長に引き留められた。