《続》手にしたあとは?
華乃に連絡を取ると、一人で大丈夫の一点ばりで…俺はもうバイト抜けたから後には引けず、強引に迎えに行った。
店の正面入口で、店長に車のキーを借りた。歩いて帰るのも辛いだろうから…だとさ。
なんだか華乃の彼氏に借りるのは劣等感感じるけど仕方ない。バイクより断然いいだろ…
裏に回ると華乃が車の前に立ってた。
「あ…大樹。ごめんね本当に…。」
俺は弱った華乃の頭を軽く撫でた。
拒否されない。
「いいって。それより大丈夫か?」
「うん。なんとかね…。」
人は弱ってると抵抗感がなくなるのか?
華乃を乗せて家まで送った。車の中では華乃は寝てたし、たいした距離ぢゃないから会話もなくすぐに着いてしまった。
本当にありがとう、そう言う華乃を、『早く寝ろよ』としか言えない俺は、切ない気持ちで家に入る華乃の後ろ姿を見送った。