君のとなりで【短編】






―――――カキーン





夏。





甲子園球場に、特大アーチを放った君。





ガッツポーズをして、走る君をみて涙が流れた。





練習のときよりも、大きくてきれいな音だった。





帰りの車の中では、余韻に浸っていた。





頭の中でリピートされる、ホームラン。





お兄ちゃんが運転する車。





「美桜、携帯鳴ってる」





お兄ちゃんの声で我に返る。





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