君のとなりで【短編】
今年で最後。
引退しちゃうから。
だから少しでも長く。
夏が終わらなければいい。
「美桜、またここにいたの?探したんだからぁ!」
「彩希ちゃん…」
彩希(アキ)ちゃんは、去年同じクラスで仲良くなった。
「用事?」
「あ、そうそう!湊が屋上で待ってるって♪」
屋上?何だろう。
私は屋上の扉を開ける。
「湊くん?」
「美桜、やっと来た」
湊くんとは、3年間同じクラス。
「どうしたの?」
セメントに寝転がっている、湊くんに聞く。
「ん?いい天気だから、美桜もどうかなって」