君のとなりで【短編】
まだ鮮明に覚えているんだ。
あの夏は暑かった。
初めて見た、お兄ちゃんの涙。
みんなと喜んでいた。
チームメイトに飛び付いて。
小学生だった私に、野球を教えてくれた。
お兄ちゃんとキャッチボールしたけど、私は見てるほうが好きだった。
そして、私は高校生になった。
1年生の頃、クラスで孤立していた私を受け入れてくれた人。
野球を教えてくれた人。
この気持ちをくれた人。
湊くん、
私は、君が大好きです。