籠の鳥




その様子を見ていたアヤメは
拓真と保久を交互に見たあと
慌てて拓真の後を追い
玄関で見送り
リビングに戻ると
保久がテーブルで頭を抱えていた




「すまない…ついカッとなって…もっとゆっくり話を進めないといけなかったのに……」


「いいのよ、ヤスが言ってなかったら私が言ってたわ。」


アヤメはそう言って保久を後ろから抱きしめた


「ヤスは拓真に幸せにかってほしいのよね?
私も同じよ。
結婚するって聞いたとき嬉しかったもんね
拓真を変えてくれる人が現れたんだ思ったのにね…」


「……あぁ、そぉだな。






拓真は触れられたくない話になるといつも理由をつけて逃げ出す


拓真は昔からなにも変わってない



高校で初めて会った拓真は
何事にも冷めていて

自分から誰かに話しかけようともしないし関わろうとしない

人に心を開かない



拓真はそんな奴だった




俺とアヤメには少し心を開くようになったものの
拒絶するような冷たい瞳が拓真の中の闇の大きさをものがたっている





いつになったらアイツの瞳に光が灯るんだろうか……







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