籠の鳥
まだ未記入の婚姻届をただ渡され
記入後
これから俺の秘書になる柴崎(シバサキ)に渡した後
疑問をぶつけてみた
「なぁ、柴崎…
お前は俺の結婚相手のこと何か知ってるのか?」
少しの沈黙の後
「良くはわかりませんが…
お屋敷でも極一部のものしか知っている者はいないらしく…
私が知っていることは、
ご両親を早くに亡くされたという事ぐらいです。」
「…そうか」
俺達の結婚は
式もあげずにただ婚姻届を書くだけで
婚姻届すら
契約書のように思えるようなものだった