世界の終りで愛を歌う

 これより、鬼嫁とのバトルロアイアルだ。

先ずは第1ラウンド。
ゴングは鍋の蓋で鳴らされた。

スゲー痛い。私の頭が割れそうだ。


「摘み食いで殴るな!」


「うるさいわね。危うく指を切るところよ! 餓鬼レンジャーじゃあるまいし。黙って待ちな!」


彼女は本当に医者だろうか?

ヤクザではないのか?
極道先生とか、極妻とか。

医者よりこちらが向いている。


「うるさいパパに言いつけるぞー!」


「ヒィ! それは勘弁して下さい!」


と大人しくなる彼女。
パパに言いつけるか。
別にファザコンではないが、

彼女にはファザコンで通している。

別にファザコンでも良いが、

25才の人生で5回しか話をしていない。

それでも私をファザコンと言うならば、

世の中には沢山のファザコンが出現してしまう事だろう。


いい迷惑だろう。ファザコン大量発生。

父親は大喜びだろう。
大概、子供と会話した数は数え切れない筈だ。


私は羨ましい。誰がかと言えば彼女がだ。

彼女は毎日父親と話をしている。

って私はファザコンではなーい!!
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