アルバイト執事にご用心
優しく包み込むように抱きしめられると、クレアもゼイルの首に手をまわした。
(今、私をとても大切に抱きしめているのはゼイルなんだわ。
嫌味をいったり、からかったり何もしないのね。
ずっと私を大切に扱ってくれて、私を怖がらせないようにしてる。
体に痛みはあるのに、飛び起きて文句を言う気も起きないわ。
むしろ、次は何をするのか期待してしまう感じ・・・私にこんな感情があったなんて・・・。)
「ふふっ。俺は今、すごくうれしいよ。
君が俺をぶん殴らないで、俺についてきてくれたことがね。
もっともっと大切にする。」
「ゼイル・・・。私まだ・・・何もわかんなくて・・・。」
「いいんだよ。クレアが俺に甘えてくれることがわかっただけで、すごくうれしいんだから。
君は俺のものだって言えるんだからね。」
その言葉を聞いた途端にクレアはシーツで顔を覆って潜り込む。
「はははは、ほんとにかわいい奥さんだ。じゃ、俺も・・・追いかけるぞ。」
それから何度2人が抱きあったかわからないまま、クレアは眠りについていた。
そして、ゼイルのベッドの上で朝を迎えた。
「あれ・・・いない。
もう、仕事へ行ったのかしら。」
昨日脱ぎ散らかしたはずの服がきちんとたたんで椅子の上に置いてあり、それとは別に家で普通に行き来する服と下着まで一式そろえて隣に置いてあった。
「まぁ・・・ダンナさまは普通こういうことなんてしないのに・・・。」
早速着替えをしていると、メイドたちが何やら驚いているようだった。
「ねぇ、どうしたの?」
「あのダンナ様が朝ごはんを作りたいって、厨房に入ったままなんです。」
「えっ!!それに・・・ダンナ様って・・・」
メイドたちはみんな頭をペコッとおじぎをして、一斉にお祝いの言葉を述べた。
「おめでとうございます。クレア様とゼイル様は正式にご婚約されてご結婚準備に入られるとのことですよね。
ほんとによかったです。」
「えっ、ええっ!!?なんで、みんな・・・そんなこと。」
すると一番先輩格のメイドのテイアが説明をした。
「お嬢様がいない間、ゼイル様はお仕事で倒れてしまうんじゃないかって使用人は皆で心配していたんです。
もともと、お嬢様のご機嫌を毎日気にしていたことは使用人は知っていましたから。
でも、怒って出ていかれて他の男性とお付き合いされたとかいろんな噂がとびかって、ゼイル様は一時憔悴したご様子で・・・お嬢様はご存じないと思いますが、ぶっきらぼうに見えてゼイル様はお優しいですからね、使用人にひどいことをいったり、当たったりなんてことは一切なかったんです。
それでもときどき、おつらくて私に当たってしまったりして、翌日よく謝って来られてね・・・。
ほんとにゼイル様はお嬢様しか目に入っていないんだと皆で心配していたんです。」
「そうだったの・・・みんな知ってたのに・・・私だけがひねくれていたのね。」
(今、私をとても大切に抱きしめているのはゼイルなんだわ。
嫌味をいったり、からかったり何もしないのね。
ずっと私を大切に扱ってくれて、私を怖がらせないようにしてる。
体に痛みはあるのに、飛び起きて文句を言う気も起きないわ。
むしろ、次は何をするのか期待してしまう感じ・・・私にこんな感情があったなんて・・・。)
「ふふっ。俺は今、すごくうれしいよ。
君が俺をぶん殴らないで、俺についてきてくれたことがね。
もっともっと大切にする。」
「ゼイル・・・。私まだ・・・何もわかんなくて・・・。」
「いいんだよ。クレアが俺に甘えてくれることがわかっただけで、すごくうれしいんだから。
君は俺のものだって言えるんだからね。」
その言葉を聞いた途端にクレアはシーツで顔を覆って潜り込む。
「はははは、ほんとにかわいい奥さんだ。じゃ、俺も・・・追いかけるぞ。」
それから何度2人が抱きあったかわからないまま、クレアは眠りについていた。
そして、ゼイルのベッドの上で朝を迎えた。
「あれ・・・いない。
もう、仕事へ行ったのかしら。」
昨日脱ぎ散らかしたはずの服がきちんとたたんで椅子の上に置いてあり、それとは別に家で普通に行き来する服と下着まで一式そろえて隣に置いてあった。
「まぁ・・・ダンナさまは普通こういうことなんてしないのに・・・。」
早速着替えをしていると、メイドたちが何やら驚いているようだった。
「ねぇ、どうしたの?」
「あのダンナ様が朝ごはんを作りたいって、厨房に入ったままなんです。」
「えっ!!それに・・・ダンナ様って・・・」
メイドたちはみんな頭をペコッとおじぎをして、一斉にお祝いの言葉を述べた。
「おめでとうございます。クレア様とゼイル様は正式にご婚約されてご結婚準備に入られるとのことですよね。
ほんとによかったです。」
「えっ、ええっ!!?なんで、みんな・・・そんなこと。」
すると一番先輩格のメイドのテイアが説明をした。
「お嬢様がいない間、ゼイル様はお仕事で倒れてしまうんじゃないかって使用人は皆で心配していたんです。
もともと、お嬢様のご機嫌を毎日気にしていたことは使用人は知っていましたから。
でも、怒って出ていかれて他の男性とお付き合いされたとかいろんな噂がとびかって、ゼイル様は一時憔悴したご様子で・・・お嬢様はご存じないと思いますが、ぶっきらぼうに見えてゼイル様はお優しいですからね、使用人にひどいことをいったり、当たったりなんてことは一切なかったんです。
それでもときどき、おつらくて私に当たってしまったりして、翌日よく謝って来られてね・・・。
ほんとにゼイル様はお嬢様しか目に入っていないんだと皆で心配していたんです。」
「そうだったの・・・みんな知ってたのに・・・私だけがひねくれていたのね。」