アルバイト執事にご用心
クレアは友達のキャシーからも誤解されて、困惑していた。
(ゼイルのせいで、完全に誤解されちゃってる・・・!
コンパは外れ者になっているわ、ゼインと意味深な関係だと友達からは思われている。
実際は、いつもと変わらない日々を送っているというのに・・・。)
翌日は土曜日で学校が休日だったので、クレアはお寝坊気味でのんびりしていると、突然ゼイルの声で起こされてしまった。
「おい、親父さんが呼んでるぞ。
いつまで寝てんだ、早く起きろよ!」
「う・・・うるさいなぁ。今日はお休みなんだから寝てたったいいじゃん!」
「そうはいかねえんだよ!
フィアンセ様が来られるんだから早く起きろ!」
「フィアンセ様って何よ。」
「婚約者に決まってるだろ。
いい加減に起きて頭をすっきりさせてこい!
おら、起きろって・・・」
「いやぁ!!何、セクハラよ。
フィアンセだろうが婚約者だろうが勝手にしてよ。
私には関係ないじゃない。」
「何、寝ぼけてるんだ。
おまえのフィアンセだろうが!!」
「うぇ??今なんていったの?」
「だから、おまえのフィアンセがこれからやってくる。」
「それ、誰が決めたの?」
「親父さん。」
「うそっ!なんで?」
「知るか?俺はアルバイトだぞ。
御主人様の命令をきっちりこなすだけだ。」
「そ、そんなぁ・・・お父様は私には何も・・・。」
「親子の間のことは俺の知ったことじゃない。
とにかく異議申し立てがあるなら親父さんとこにいってみるのがいいんじゃないのか?」
「そ、そうね。
ごめんなさい、すぐ準備して降りて行くから先にいってて。」
「ああ、急ぎ過ぎて階段踏み外すなよ。」
「うん。」
着替えと化粧をしながらクレアはふと、今日はゼインと口論になっていないことに気付いた。
むしろ、階段を踏み外すなとかきいたことのない台詞をきいたような・・・と思い返してみたくらいだ。
「お父様、勝手に私のフィアンセだなんて何ですの?」
「今すぐってわけじゃないんだよ。
相手さんがおまえをとくに気に入ったらしくてね。
まだ高校生のおまえをすぐ嫁にやるわけにはいかんって父さんは言ったんだけどね。
卒業後の進路によってはおまえには行儀見習いを習ってもらって女主人としての手腕を磨いてほしいっていわれてねぇ。
それならおまえも得ることが多いんじゃないかとね。
家柄も悪くないし。」
「ちょ、ちょっと待って。
そんなことを言って来てるのは誰なの?」
「それはスレーブ・カリス・ユーリディのご子息であるナルベル・ユーリディだ。
彼は・・・」
「ストップ!かの有名なデパートの御曹司ってわけね。
私その人知ってるわ。
2週間前にナルベルがバス停で待っていたら雨が降ってきて、偶然傘を指してあげたっていうだけよ。」
「ほぉ。それは親切なことをしたんだな。」
「で、なんでそれだけのお礼がフィアンセなのよ。
そんなのいらないのに。」
「それがな・・・」
(ゼイルのせいで、完全に誤解されちゃってる・・・!
コンパは外れ者になっているわ、ゼインと意味深な関係だと友達からは思われている。
実際は、いつもと変わらない日々を送っているというのに・・・。)
翌日は土曜日で学校が休日だったので、クレアはお寝坊気味でのんびりしていると、突然ゼイルの声で起こされてしまった。
「おい、親父さんが呼んでるぞ。
いつまで寝てんだ、早く起きろよ!」
「う・・・うるさいなぁ。今日はお休みなんだから寝てたったいいじゃん!」
「そうはいかねえんだよ!
フィアンセ様が来られるんだから早く起きろ!」
「フィアンセ様って何よ。」
「婚約者に決まってるだろ。
いい加減に起きて頭をすっきりさせてこい!
おら、起きろって・・・」
「いやぁ!!何、セクハラよ。
フィアンセだろうが婚約者だろうが勝手にしてよ。
私には関係ないじゃない。」
「何、寝ぼけてるんだ。
おまえのフィアンセだろうが!!」
「うぇ??今なんていったの?」
「だから、おまえのフィアンセがこれからやってくる。」
「それ、誰が決めたの?」
「親父さん。」
「うそっ!なんで?」
「知るか?俺はアルバイトだぞ。
御主人様の命令をきっちりこなすだけだ。」
「そ、そんなぁ・・・お父様は私には何も・・・。」
「親子の間のことは俺の知ったことじゃない。
とにかく異議申し立てがあるなら親父さんとこにいってみるのがいいんじゃないのか?」
「そ、そうね。
ごめんなさい、すぐ準備して降りて行くから先にいってて。」
「ああ、急ぎ過ぎて階段踏み外すなよ。」
「うん。」
着替えと化粧をしながらクレアはふと、今日はゼインと口論になっていないことに気付いた。
むしろ、階段を踏み外すなとかきいたことのない台詞をきいたような・・・と思い返してみたくらいだ。
「お父様、勝手に私のフィアンセだなんて何ですの?」
「今すぐってわけじゃないんだよ。
相手さんがおまえをとくに気に入ったらしくてね。
まだ高校生のおまえをすぐ嫁にやるわけにはいかんって父さんは言ったんだけどね。
卒業後の進路によってはおまえには行儀見習いを習ってもらって女主人としての手腕を磨いてほしいっていわれてねぇ。
それならおまえも得ることが多いんじゃないかとね。
家柄も悪くないし。」
「ちょ、ちょっと待って。
そんなことを言って来てるのは誰なの?」
「それはスレーブ・カリス・ユーリディのご子息であるナルベル・ユーリディだ。
彼は・・・」
「ストップ!かの有名なデパートの御曹司ってわけね。
私その人知ってるわ。
2週間前にナルベルがバス停で待っていたら雨が降ってきて、偶然傘を指してあげたっていうだけよ。」
「ほぉ。それは親切なことをしたんだな。」
「で、なんでそれだけのお礼がフィアンセなのよ。
そんなのいらないのに。」
「それがな・・・」