アルバイト執事にご用心
勢いで何でも始まるの?
翌日、クアントもやや緊張の面持ちで待っていると、バラの花束を抱えたナルベルがやってきた。
「急におしかけてしまって申し訳ありません。
これは、この前のお礼もかねてお土産です。どうぞ。」
「あ、うん。気をつかってもらって悪いねぇ。」
「あっ、ナルベル。いらっしゃい。」
「クレア!この前はありがとう。君のおかげで濡れなくて済んだよ。
うわぁ、今日はおしゃれしてるんだね。
もしかして、僕のためかな?」
「えっ、ま、まぁ・・・。」
「それはうれしいな。じゃあ、例の話もすすめていいってことだね。」
「例の話って?」
「もちろん、結婚の準備をするから、今日は婚約までしちゃおうってことだよ。」
「ええーーーー!」
「はぁ・・・?ナルベル君、私は娘が嫌がらなければ付き合うことは許可したが、婚約なんてきいてないけどねぇ。」
「そうだったんですか?
うちの父は今日中に婚約するって言ってたもので、僕もそのつもりだったんですけど。
確かにお互いのことを何も知らないのに早すぎますよねぇ。
すみません、うちの親父はせっかちなもので。」
「食前酒になります。どうぞ。」
話の途中でゼイルが喫茶店にいるときと同じ、ギャリソン姿で現れた。
「あ、すみません。なんか高級レストランにきてるみたいだ。
すごいなぁ、クアントさん家は。」
「いやいや、まぁしっかり食べてから娘が庭でも案内しますから、散歩しながら話をするといいですよ。」
「はい、お言葉に甘えます!」
クアントもとくに嫌な素振りはしていない。
クレアは食事がのどを通らずに困ってしまった。
このまま婚約者になっちゃったらどうしよう・・・。
自分はうまく断る自信がない。
もっと悪そうな人だったらよかったのにとさえ思う始末だ。
すると前菜のお皿の下にメモがあるのを見つけた。
(ゼイルから?・・・えっと、自分の思うとおりに話せばいい。
やばくなりそうなら助けてやるから、何も心配はいらない。)
クレアは笑顔を出してしまいそうだったが、さりげない素振りをしていた。
ミニフルコースの食事と会話で1時間以上かかったが、その後2人は庭へと出た。
クアントはこそっとゼイルを呼ぶと小声で話した。
「いい息子かとも思ったんだけどね・・・親父から指令が出てるようだ。
絶対、今日中に婚約者の称号はほしいらしいねぇ。」
「そうですか・・・では早急にお帰りいただいた方がよさそうですね。」
「ああ、そうだね。」
「急におしかけてしまって申し訳ありません。
これは、この前のお礼もかねてお土産です。どうぞ。」
「あ、うん。気をつかってもらって悪いねぇ。」
「あっ、ナルベル。いらっしゃい。」
「クレア!この前はありがとう。君のおかげで濡れなくて済んだよ。
うわぁ、今日はおしゃれしてるんだね。
もしかして、僕のためかな?」
「えっ、ま、まぁ・・・。」
「それはうれしいな。じゃあ、例の話もすすめていいってことだね。」
「例の話って?」
「もちろん、結婚の準備をするから、今日は婚約までしちゃおうってことだよ。」
「ええーーーー!」
「はぁ・・・?ナルベル君、私は娘が嫌がらなければ付き合うことは許可したが、婚約なんてきいてないけどねぇ。」
「そうだったんですか?
うちの父は今日中に婚約するって言ってたもので、僕もそのつもりだったんですけど。
確かにお互いのことを何も知らないのに早すぎますよねぇ。
すみません、うちの親父はせっかちなもので。」
「食前酒になります。どうぞ。」
話の途中でゼイルが喫茶店にいるときと同じ、ギャリソン姿で現れた。
「あ、すみません。なんか高級レストランにきてるみたいだ。
すごいなぁ、クアントさん家は。」
「いやいや、まぁしっかり食べてから娘が庭でも案内しますから、散歩しながら話をするといいですよ。」
「はい、お言葉に甘えます!」
クアントもとくに嫌な素振りはしていない。
クレアは食事がのどを通らずに困ってしまった。
このまま婚約者になっちゃったらどうしよう・・・。
自分はうまく断る自信がない。
もっと悪そうな人だったらよかったのにとさえ思う始末だ。
すると前菜のお皿の下にメモがあるのを見つけた。
(ゼイルから?・・・えっと、自分の思うとおりに話せばいい。
やばくなりそうなら助けてやるから、何も心配はいらない。)
クレアは笑顔を出してしまいそうだったが、さりげない素振りをしていた。
ミニフルコースの食事と会話で1時間以上かかったが、その後2人は庭へと出た。
クアントはこそっとゼイルを呼ぶと小声で話した。
「いい息子かとも思ったんだけどね・・・親父から指令が出てるようだ。
絶対、今日中に婚約者の称号はほしいらしいねぇ。」
「そうですか・・・では早急にお帰りいただいた方がよさそうですね。」
「ああ、そうだね。」